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2026/6/8 フューネラル通信 第83号【今月のおはなし】仏具の衣替え

五月のやわらかな風が心地よく、新緑がまぶしく感じられる季節となりました。

この頃になると、私たちの暮らしの中では「衣替え」の時期を迎えます。冬の装いから軽やかな初夏の装いへと移り変わるこの習慣は、日本ならではの四季を大切にする心の表れといえるでしょう。そして実は、この衣替えは私たち自身の身なりだけではなく、仏さまをお祀りする仏具も衣替えをします。

その一つが「打敷(うちしき)」です。打敷はお仏壇を飾る荘厳具の一種で、内敷や打布、内布といった別名があります。また、お釈迦さまの高座に感謝と尊敬の念を込めて仏弟子たちが自分の衣服などを敷いたことが起原とされており、その後お仏壇に荘厳する仏具として用いられるようになり、仏具の中でも重要な役割をもちます。

「敷物」を「打つ」=「張る」ことから「打敷」と呼ばれています。選ぶ際は、名古屋寸法と京寸法によって大きさが違いますので注意が必要です。

こうした打敷にも季節や法要に応じて掛け替える「衣替え」の考え方があります。冬には重圧で落ち着いた色合いのものを、春から初夏にかけては明るく軽やかな印象のものへと変えることで、仏前の空間にも自然の移ろいが映し出されます。さらに、この打敷には宗派による違いがあります。

例えば、浄土真宗では特に重要視され、法要の際には必ず用いられます。色や紋にも一定の決まりがあり、白や金を基調としたものが多く用いられます。また、三角形の独特な形をしていることも特徴の―つです。一方で他の宗派では長方形の打敷が一般的であり、使用の頻度や扱い方もそれぞれ異なります。真言宗や天台宗では、密教的な荘厳の流れを汲み、より装飾性のたかい打敷が用いられます。

【夏用・冬用】
6月頃~9月彼岸入り以前まで使用します。正絹紗などで作られるとても涼やかな打敷です。冬用は、彼岸入り~5月頃まで使用。厚手で美しい刺繍が施されているものが多くあります。

【白三角打敷】
亡くなってから四十九日までは白地の打敷を使います。いつも使っている打敷を裏返してお使いの方もいらっしゃいますが、白い生地は痛みが早く、知らない内に茶色に変色していることがあるので、その場合は専用の白三角打敷を購入してください。
※宗派により異なる場合もございます

【浄土真宗本願寺派】
宗紋が入ったものや織物の打敷を主に使用します。浄土真宗本願寺派では前卓の大きさよりもやや大きいサイズが最適とされています。

【真宗大谷派】
宗紋が入ったものや刺繍が施された打敷を主に使用します。真宗大谷派も前卓の大きさよりもやや大きいサイズが最適とされます。

【その他の宗派】
四角形の角打敷を使用します。宗紋が入ったものや織物タイプなど様々な打敷があります。

年に二度の衣替えの折に打敷を新しくする、あるいは季節の節目に少し整えるだけでも、仏前の空気が大きく変わり、日々の暮らしをより豊かにしてくれるのではないでしょうか。