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株式会社オレンジライフ代表取締役社長兼CEO上野山栄作のエッセー多事想論

2020/11 オレンジ通信 第137号教えを乞う

すっかり季節も過ごしやすくなりました。10月は多数のお葬式のご依頼を頂きました。少しずつお参りし合うお葬式も増え、私の黒服も復活しています。今回もとてもショックな葬儀がありましたので書かせて頂きます。私にとっては恩師の様でもあり、兄の様な存在でもあった先輩をお送りさせてもらいました。
先輩の事業に対する先見性とグローバルな考えにはいつも刺激を受けてきました。また、こだわりを持つ大切さ、人付き合いのスマートさ、色々と学ぶ部分がありました。ちょうど一年前には一緒にサイクリングするほど元気であったのに、今年の春に癌が見つかり、闘病に入り6月には仲間の会食に顔を出し「治して来る」と告げ治療に専念するも、10月22日逝去、本当に短すぎる最期となりました。

葬儀は先輩の会社と親族との合同葬でした。私にできる事は最期に先輩らしい葬儀を出してあげることくらいです。幸いにも先輩は2年前に代表をご子息に譲られていて、息子さんと奥さんとで合同葬の打ち合わせはほぼ出来ました。通常なら先に火葬して2週間は時間がなければ行えない段取りでしたが、ほぼ、私に任せてもらえたので、3日間で葬儀の準備を済ませ、火葬する前に葬儀を行えました。
準備を進めるうちに私の知らない先輩の「モットー」が見えてきました。息子さんには「なんでも自分でしろ」と言っていたそうです。それだけ聞くと「厳しいー!」と思われるでしょう。先輩は一から今の事業を立ち上げました。経営者は会社の全てを自分で出来、理解できているほど強い事はありません。「何が必要で何がキーなのか」それを息子さんに教えたかったのだと理解できました。そして、私自身も最近は現場に出ていなかった事を思い出し、「この葬儀は自分で最後までやろう」と決めました。準備段階から5日間で当社の問題点や弱いところ、改善点など多くのことが見えてきました。基本に返り仕事の原点を見返す大切さを教えてくれたのは先輩でした。

葬儀とは亡き人の生き方から学ぶ場であると言われます。その様な事は、悲しむ家族にはとんでもないことかもしれません。まずは悲しむ場であるべきです。しかし、縁ある方に最期の教えを乞い、自らの人生に変化をもたらす事は、その方との繋がりをより深めることだと思います。葬儀には、そんな一面もあるという事を皆さんも考えてみていただければ幸いです。先輩、あちらでもよろしくご指導ください。