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株式会社オレンジライフ代表取締役社長兼CEO上野山栄作のエッセー多事想論

2024/2 オレンジ通信 第176号観光大国

2年ぶりに北海道のニセコに行ってきました。ニセコは30年来通い続けた大好きなスキー場です。前回はコロナ禍の収まっていない時期でしたので、外国人も少なく20年前を彷彿させる様なパラダイスでしたが今回は中国の春節とも重なって外国人の多いこと!10年以上前からオーストラリア人やニュージーランド人が多く来ていたのですが、そんな感じではなく3倍はいました。特に花園エリアというところは中国の資本がふんだんに入りホテルが立ち並び、ルイビトンのテントショップまで出来る始末です。
僕たちの旧ニセコは雪山好きが訪れるエキスパートの憧れの地であったのですが、今では外国人ファミリーのリゾート地となりました。それでもアジア系の方々はまだマシなんです。ゆっくりとコースを滑っていてくれます。
ニセコには「ゲート」というシステムがあって、スキー場の管轄外エリアへの入り口で、非圧雪の林の中や自然地形を楽しめる場所が11ヶ所ほどあります。もちろん自己責任エリアですがロープで管理された場所です。3番ゲートは最も人気の高いゲートで、リフト山頂から20〜30分ほど多傾斜の山を歩けばアンヌプリ山の頂上で、そこからの自然地形は本当に素晴らしいです。この様に簡単に自然地形を滑れる場所はなかなかありません。滑りに自信のあるエキスパートが深雪のエリアを求めてやってくる聖地でした。ところが最近ではオーストラリア人やニュージーランド人がそのゲートを漁りまくるのです。ロープなんか無視です笑。とにかくどのゲートも人が多くて10年前だと何回でも深雪を楽しめたのですが、今や一回滑ったら次にはもう人の滑った跡だらけです。今年は特に雪が少ないため、混雑と合わせて楽しむことは難しかったです。
町はというとアンヌプリ山を中心に麓に四ヶ所のスキーリゾートを総称してニセコエリアと言います。昔はその四ヶ所のスキー場付近にホテルや飲食店が点在していたのですが、今やその4つを線で結ぶ様にエリア内のありとあらゆる場所に外国人向けのホテルやコンドミニアムが立ち並んでいます。スキー場近くの宿を日本人価格で予約するのは至難の技となりました。今回はスキーエリアから車で20分ほどかかる裏山の温泉宿に何とか空きを見つけて宿泊することが出来ました。夕食も予約なしではなかなか食事にありつけない有様です。町は潤うでしょうし、あの辺の地主は長者でしょうが、これを良しと思っている地元人や日本人ははたしてどれだけいるのでしょうか?
いささか観光のあり方に疑問を感じてしまいます。インバウンドがまだまだ加速する世の中。京都然り、観光大国日本における外国人と日本人のバランスの良い受け入れ体制とはどうすれば出来るのでしょうか?少しルールが必要だと思います。
とはいえ有田へはまだまだ来て欲しいけど〜